テレワークや出張、自宅以外で仕事をする時、必ず持って行きたいのが充電器とモバイルバッテリーだろう。さすがに現在はノートPCに付属のACアダプタを持って行かずともUSB-C充電に対応しているものが多いため、以前よりは随分と楽になったが、それでも充電器+モバイルバッテリーは欲しいところ。それだけでいざという時の安心を得られるからだ。
今回はそんな必須の充電器+モバイルバッテリーを1つにした、Anker Prime Power Bank (9600mAh,65W,Fusion)を紹介する。2024年の8月8日に発売された製品で今さらという思いがあるが、3ヵ月ほど使ってみてのレビューをお届けする。テレワークや出張などが多い方は是非。あと、こんな人にもオススメという情報も掲載するので今まで特に必要性を感じなかった方も参考にしてもらいたい。
気になる点もあるけど、他にはない個性的な製品に仕上がってます。
Anker Prime Power Bank (9600mAh, 65W, Fusion)は困った時ほど有り難みが分かる
とにかくフリーランスの物書きをやっていると、いつ何時「あのデータ残ってますか?」「あのファイル、こういう風に変更してください」とか、そういうケースが時々あるものだ。
もちろん、どうにもならない状況もあるのだが、大体の場合はどこにいようが対応し、あらためてデータを送ったりしなくてはならない。まさにフリーランスの悲しい運命である。
ワードやパワポ、PDFなど大したデータ量でないものが多いので外にいてもスマホからでも送れてしまうのだが、場合によっては膨大なデータの詰まったクラウドにアクセスする必要がある。ファイル名がよく分からない時などは地獄で、わざわざ歩道でノートPCを開いて探し出し送らなきゃいけないこともある。
とっさのことなのでノートPCにあまり充電が残ってないケースもあり、そんな時は電源を求めカフェに駆け込んだりする。その光景はスタバで優雅にMacBookをポチポチ叩いているような感じではない。端から見ると大をするため空いてるトイレを探すような必死の形相に違いない。
前段が長くなったが、そんな時に頼りになるのがAnker Prime Power Bank (9600mAh,65W,Fusion)だ。
もちろん、これまでもモバイルバッテリーは持ち歩いていたが、外出時はどこか安心できなかったのが事実である。スマホの充電は問題ないが、ノートPCの充電をするには心許ない。なぜなら、モバイルバッテリーで安心感を得るには「容量の大きさ」だけではなく、充電時にどれだけ出力できるかという「出力ワット数(W)」が超重要なのだ!
充電器として最大65W、モバイルバッテリーでも最大65Wのスゴいヤツ
みんなの今持っているモバイルバッテリーを眺めて欲しい。その出力ワット数はどれくらいあるだろうか?大体は20W~30Wくらいが多いと思う。もし、よく分からないという人は買った時の値段を思い出して欲しい。2,000円~3,000円程度なら、ほぼ20W前後と思って間違いない。なぜなら、高出力のモバイルバッテリーはスゲー高いのだ!
このAnker Prime Power Bank (9600mAh,65W,Fusion)はその名の通り、最大65W出力できる。さらに、充電器の役割もする1台2役の優れもの。つまり、お値段もお高いのだ。現時点でAmazonで14,990円。おそらく充電器とモバイルバッテリーを別々に買った方が安いかもしれない。では、なぜ高いにもかかわらずこの製品を選ぶのか?
それは、充電器としても「最大65W出力」、モバイルバッテリーとしても「最大65W出力」。これがこの製品の最大の売りであり、他の製品にはあまり見られない魅力なのだ。この仕様にお金を払ったと言っても過言ではない。
ノートPCとスマホを同時充電できるのが最大の強み
では、何故「最大65W出力」が魅力なのか?ボクが思うに“ノートPCとスマホを同時に充電できるから!”ということに他ならない。次の表を見てもらいたい。
MacBook Air 13インチ | HP pavilion aero 13インチ | FUJITSU LIFEBOOK Uシリーズ | Lenovo ThinkPad Eシリーズ | |
付属ACアダプタ | 30W | 65W | 65W | 65W |
充電可能W数 | 30W以上 | 30W以上 | 7.5W以上 | 45W以上 |
バッテリー容量 | 53.28Wh (7,200mAh) | 43.3Wh (3,745mAh) | 64Wh(大容量) (4,196mAh) | 47Wh or 57Wh (4,156mAh or 4,948mAh) |
備考 | 65W以上で充電速度UP | PC使用中の充電は45W以上必要 |
iPhone 12~16 | Pixel 6~9 | Galaxy S22~S24 | |
充電可能W数 | 20W以上 | 20W以上 | 25W以上 |
バッテリー容量 | iPhone12/2,815mAh iPhone13/3,227mAh iPhone14/3,279mAh iPhone15/3,349mAh iPhone16/3,561mAh | Pixel6/4,614mAh Pixel7/4,355mAh Pixel8/4,575mAh Pixel9/4,700mAh | S22/3,700mAh S23/3,900mAh S24/4,000mAh |
備考 | 30W以上で充電速度UP | Pixel 8,9は最大27W充電 |
これらを見ると、大体ノートPCが30~45W、スマホが20~25Wと、合計すると65W程度になることが分かる。つまり、ノートPCとスマホの同時充電を意識しての仕様だと思われる。ただし、ゲーミングPCなどのノートPCは付属のACアダプタの電圧も高く、対応できない可能性が高い。その点は予め知っておいてもらいたい。
このようにモバイルバッテリーとしてノートPC(HP Pavilion aero13bg)とスマホを同時充電できる!これほど心強いことはない。写真では本体ディスプレイに表示されている充電中のワット数値(C1がノートPC、C2がスマホ)が低いように見えるが、この数値は刻一刻と変化し、もちろん問題なく充電できる。つまり、外出先でも同様にWで充電しながら使えるということだ。
大体スマホなら約2回分、Macbook Air13なら約75%くらいまで充電できるようだ。他のノートPCなら数値上は約2回分いけるものもありそうだ。(※バッテリーの専門家ではないので計算の仕方などが違うかもしれないが。)
ちなみにC1にはノートPC用のマークが入っているが、2台同時充電の場合はこちらの端子が優先されるため、ノートPCとスマホを充電する場合は、C1をノートPC、C2にスマホを接続する。(※C1:45W、C2:20Wという振分けになる。)
出張や旅行に行く人には最強の充電アイテム!荷物制限のあるLCCには最適解
テレワークや外出時におすすめするのはもちろんだが、特におすすめしたいのが出張や旅行に行く時だ。
皆さんは飛行機に乗る際、格安航空会社を利用したことはあるだろうか?ジェットスターとかピーチとかそういう航空会社だ。チケット料金はかなり安く助かるのだが、手荷物が7kgまでと重量制限がある。これを超過すると追加料金がかかってしまう。そんな時、旅行カバンに詰め込む充電器やモバイルバッテリーは極力軽く済ませたい。
そんな時、このAnker Prime Power Bank (9600mAh,65W,Fusion)なら1つで済む!これは格安航空会社を使う人にとってはかなり有り難い。それなりにデカいのでホテルに差しっぱなしで忘れることなども少ないだろう。
大きさはこんな感じでコアラのマーチほどデカくはないが、それなりに大きいし、羊羹のように中身がぎゅっと詰まった感じでずっしり重い。ストラップも付いているが落とすと一発で破損しそうな感じだ。
万能に見えるが普段使いのデメリットも…。
とりあえず良い点ばかりを書いてきたが、やはりAnkerが史上最高峰充電器シリーズというだけの事はある。しかし、わずかだが普段使いで気になることがいくつかあった。
高級なのに傷つきやすい
前面のプラスチック(?)のパネル部に傷が付きやすいのだ。乱雑にバッグに入れたり、ガジェットポーチにそのまま突っ込むなんて事は正直やらない方がいい。一気にみすぼらしい見た目になってしまう。
そのことを分かっているのか、とても手触りの良い専用ポーチがついてくる。スマホの画面などを拭くのにも適したような素材で本体をやさしく包んでくれるが、やはり傷つきやすいのか知らないうちにボクの前面パネルにも引っ掻きキズのような跡が付いていた。モノの扱いが雑な人は気を付けて欲しい。
付属の専用ポーチ。とにかく手触りがいい。
コンセントを選ぶ
充電器とモバイルバッテリーが1つになったため、それなりの大きさであり形状も特殊だ。例えば、コンセントが空いている状態なら問題ないと思うが、別の機器が刺さっていたり、隙間の狭いコンセントなどの場合、うまく使えないことがあるかもしれない。その点は注意が必要だ。
ボクはそんな時のために、短い延長コードを持ち歩くようになった。本末転倒という気もするがAnker Prime Power Bank (9600mAh,65W,Fusion)を“持っているのに使えない!”という最悪の事態を避けるため、保険的な意味合いで1つ持っていると便利だと思う。
とくにカフェなどはいろんな客に刺されまくったゆるゆるのコンセントなどもあり、重量のあるこの製品はその重さで接触が悪くなることもあったので、そういったトラブルも避けることができる。
まとめ:高価だがテレワークや出張・旅行するなら1つあると安心!
Anker Prime Power Bank (9600mAh,65W,Fusion)はいろんな方がレビューしているので、それらも参考にしてもらいたいが、ボクはフリーランスの物書きの立場から実際に使ってみてのレビューをお届けした。
おそらく同じような充電器&モバイルバッテリーの一体型のアイテムはAnkerからも出ているし、他のメーカーからも出ている。では何が違うかというと、ノートPC&スマホを持ち歩き、いつ何時も同時に充電可能という点だ。
他の製品は、スマホは充電できるけどノートPCはムリとか、同時にはムリとかそういう制限がある。その点、この製品はノートPCとスマホを同時充電でき、しかも、モバイルバッテリー時にも可能という強みがある。(※モバイル時は電圧が下がるという製品も多い。)
確かに高価だが、Ankerだし、バッテリー性能も間違いはない。特にボクは出張で荷物の制限があるなら、間違いなくこの製品を選ぶ。100Wの充電器と20,000mAhのモバイルバッテリーを持っていくという選択肢も考えたが、ノートPCを0%から丸々100%までモバイルバッテリーで充電するケースはほとんどないだろうし、これなら容量的にも最低限の実用性を兼ね備えている。コンセントが見つかれば、すぐに差しておけば勝手に本体に充電もしてくれる。
少々、キズが付きやすいし、かさばる感は否めないが、持ち歩くのが1つで済む点は常時持ち歩くボクのような人にとっては大変助かる。自分のライフスタイルにも合いそうだなと思う人は買って損しない製品だと思う。
テレワークや出張のある人には特におすすめです。
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