フリーランスの物書きはキーボード選びにハマってしまうことがある。いわゆる“キーボード沼”というやつだ。なぜなら仕事効率だけでなく、同じキーボードで書くことに飽きてしまうからだ。
そんなこんなで“打ちやすいキーボードあるよ!”と聞けば購入してみたり、でも、ちょっと使って元のキーボードに戻ってみたりする、そんな感じで今回出会ったキーボードが「Logicool MX KEYS MINI」だ。
…とはいえ、発売日は2021年11月11日と、随分と前のこと。なぜ今さら?その理由の1つはいまだにガジェット系YouTuber界隈ですこぶる評判がいいのだ。それがずっと頭の片隅で気になっていた。ということで、今回思い切って購入に踏み切ってみたので実際の使用感などを紹介する。フリーランスの物書きならではの意外な利点が見つかったので報告したい。
フリーランスの物書きであるデジコアラがレビューするよ。
「MX KEYS MINI」なら作業机で弁当が食べられる!
まず「MX KEYS MINI」を使って「これは便利だ!」と思ったことの1つは食事!“なんそれ?”と思う人も多いだろうが、フリーランスは基本仕事場と自宅が同じ環境の人が多い。つまり、食事を作業机で食べることも多々ある。
そんな時「MX KEYS MINI」なら超快適!キーボードをさっと他の場所へ移せるからだ。ボクもよく弁当を買ってきては作業しながらデスクで食べるのだが、これまで使ってきた「REALFORCE」などのキーボードの場合、端っこに避けることはできるが「MX KEYS MINI」のように広々としたスペースを確保することはできなかった。
「REALFORCE」ではキーボードカバーの上に弁当をのせていたが…
「MX KEYS MINI」なら、弁当スペースを容易に作ることが可能!
ボクの机にいろんなモノを置きすぎというのもあるが、キーボード自体がそれなりの重量があり有線だったため、すばやく取り外すこともできない。そんな食事時の苦労をコンパクトな「MX KEYS MINI」は見事に解消してくれたのだ。
サッとキーボードを別の場所へ置いて、弁当が置けるのは感動的だった。仕事・食事のON・OFFの切り替えが可能になったのだ!余ったスペースに飲み物を置いたり、贅沢にもう一品お惣菜を足せるのもこのキーボードに替えたおかげだ。
「MX KEYS MINI」ならすぐにキーボードの掃除ができる!
キーボードをしばらく使うと自分の手脂(てあぶら)が気になることはないだろうか?仕事が思うようにはかどらないと余計に気になってしまう。そんな時、メガネ拭きのような手脂を取り除くシートでふきふきするのだが、「MX KEYS MINI」だといつもよりも簡単にできた!
これまで使っていた「REALFORCE」は有線のものだったため、PCに繋げた状態でふきふきしてたのだが、当たり前だが接続しっぱなしなのでお掃除中もキー入力されてしまう。Word文章に意味不明な文字がつらつらと並び、それを消すという無駄な手間がかかっていた。
だが「MX KEYS MINI」は右上のスイッチをOFFにするだけで接続解除でき簡単にふきふき可能。意味不明な文字が画面に並ぶこともなく、ササッと短時間で手脂のないきれいなキーボードに甦る。またスイッチをONにすれば即座に接続され、作業に復帰できる。これを一度体験すると元には戻れないほどの快適さだ。こまめにお掃除するのが習慣になった。手脂が気になる人には超おすすめだ。
さらに、これが可能なのはワイヤレスというだけではない。浅いキーの恩恵でもある。「REALFORCE」などのキーボードは、キーストロークが深く、キー自体も厚さがあるため、キーとキーの間にゴミが溜まりやすい。ボクみたいにデスクに一日中作業をしていると、お菓子のカスやら、ホコリやら、髪の毛やらが知らず知らずのうちに入ってしまう。
キーの隙間にエアダスターを吹き付けると驚くほどのゴミが出てくる。でも、「MX KEYS MINI」はキー自体の厚みがなく、キーとキーの隙間もほとんどない。そのため、ゴミも入りづらい。これはボクに限らず、キーボードをすぐ汚しちゃう人にとっても非常にありがたい要素だと思う。
打鍵感や打ちやすさはレイアウトが気にならない人にはオススメできる
では肝心の「MX KEYS MINI」の打鍵感や打ちやすさはどうなのか?結論から言うと、ボクの手には比較的馴染み打ちやすい。でも、「打ちやすさ」に関して言うと、経験上ほとんどの場合は慣れによるものが大きい。あとは自身の手の大きさ。ボクは手が大きい方だが、打ちやすいと思うキーボードが昔の「Let’s note CF-SV8」のもので、そのキーピッチやキーストローク、キーレイアウトと近いと打ちやすく感じる。みんなも人生で打ちやすかったキーボードを1つ記憶しておくと、今後のキーボード選びの助けになる。
それで言うとデータ上は「MX KEYS MINI」のキーピッチやキーストロークは「Let’s note CF-SV8」とほぼ同じ。Let’s noteのキーボードよりもしっかりしているのでガシガシと打てる。「REALFORCE」のような本格的なフルキーボードではなく、MacやノートPCを使い続けている人は比較的違和感なく打てるのではないだろうか?
※上が「Let’s note CF-SV8」、下が「Logicool MX KEYS MINI」。横幅がLet’s noteよりやや広い。
これは余談だが、少し前にボクが購入したヒューレットパッカードの「Pavilion Aero 13bg」の方が打ちやすさで言うとしっくり来ている。「Pavilion Aero 13bg」はキーピッチ約18.7mm、キーストローク約1.3mmと「MX KEYS MINI」よりも若干コンパクトで、打鍵感こそ劣るがボクの手には間違いも少なく打ちやすい。この辺も「MX KEYS MINI」を選ぶ上で参考になるかもしれない。
※上が「HP Pavilion Aero 13bg」、下が「Logicool MX KEYS MINI」。左右のキーの幅の違い程でかなり近い。
まあ、打鍵感や打ちやすさは最初に述べたとおり、ずっと使うことで馴染んで行くのでレイアウトがどうしても気に入らない人でない限りはそれほど気にする必要はないと思う。
MX KEYS MINI | Let’s note CF-SV8 | Pavilion Aero 13bg | |
キーピッチ | 19mm | 横19mm 縦16mm | 約18.7mm |
キーストローク | 1.8mm | 2mm | 約1.3mm |
押下圧 | 60±20g | 30g | 不明(レッツに近い) |
キー全体の端から端までの横幅 | 280mm | 265mm | 272mm |
「MX KEYS MINI」は言うほど重くない
よくガジェット系YouTuberの人が「MX KEYS MINI」はずっしり重い!などとレビューしているのを見かけるが、結論から言うと重いと感じたことはない。むしろ軽くもなく、ある程度の剛性としっかり感があり、ガシガシ打っても大丈夫という安心感がある。外出するときに持ち歩くという人にとっては重く感じるかもしれないが、家の中で使う分には全く気にならない。ボクが「REALFORCE」の重さを知っているからというのはあるかもしれないが…。
公式では506gとあるが、ボクの個体は500gジャストだった。
電池の持ちは1度の充電でこれだけ打てれば充分なレベル
あと、気になるのは充電がどれだけ持つかということ。これに関して言うと、フリーランスの物書きがほぼ電源ONのままで毎日ガシガシ使っても全然気にならないレベル。電池の残量を気にして打つことはないし、デスク周りで使うなら、USB-Cのケーブルぐらいあるだろうし、いつだって充電できる状況だろう。
でも、そんな準備をしていなくとも問題なし!購入してから1度フル充電し、現在まで1か月ちょっと使っているが残量は約70%となっている。このように「logi Options+」というアプリで確認できるので充電が少なくなったと気づいた時に充電すればよいと思う。日々、充電切れを気にすることもない。ちなみに「logi bolt」で接続している。
「MX KEYS MINI」のデメリット
メリットに関してはこれまで述べてきたとおりだが、デメリットは個人にもよるかと思うが一応あげさせてもらう。
価格が高い
これについては今現在Amazonなどで16,000円前後で売られているので相場的には安くはないと思う。選ばなければ2~3千円で買えるものもあるし。ただ、フリーランスの物書きという立場から言うと、経費で落ちるし、仕事がはかどるなら全然ありな価格設定ではないだろうか?もしも、少しでも安く買いたいなら、ロジクール公式楽天ストアでセール品を購入することをおすすめする。色はグラファイトしか選べないが通常より安く、ポイントもつく。先に挙げたメリットを良しと思うなら購入に踏み切ってもよいと思う。
ただ、キーボードはあくまで消耗品だと思うのでその辺も考慮して買うかどうかは決めてもらいたい。また「REALFORCE」などの静電容量無接点方式のキーボードは5年くらい全然持つので、それらと比較するのはあまり意味がない。そもそもフリーランスの物書きはキーボードを替えるのは気分転換の意味合いもあると思うので価格はそれほど気にならないかもしれない。とにかく使いたい時にちゃんと使え、変なトラブルとかで作業の邪魔をしないことこそが仕事の道具なのだ、そういう点で言えば「MX KEYS MINI」は優秀なキーボードであると思う。
ファンクションキーが特殊
これもコンパクトなキーボードには付きものだが、慣れと言えば慣れでどうにでもなる。ただし、カタカナ用語を多用するとか、半角カナ入力を多用する人は、ファンクションキーも多用する(F7やF8ね)と思うので積極的におすすめはしない。通常「MX KEYS MINI」のファンクションキーの部分には、Bluetooth接続機器の切り替えやキーボードのバックライトの調整などが割り当てられているが、先に述べた「logi Option+」で通常のファンクションキーのように使うキー設定も選べるので、“だから買わない!”というような大きな問題にはならないと思うが一応触れておく。
気になったのはそれくらいかと思う。フリーランスの物書きにとっては、これらのデメリットを上回るほどの快適さが手に入り、何よりコンパクトでデスクで飲食しやすくなったことや、掃除がしやすくなったことの方がデカい!この辺も参考にしてもらえたらと思う。とにかく仕事しよう!って時にサッと使えることが重要だ。
まとめ:フリーランスの物書きにとっては良い買い物
今さらながらの「Logicool MX KEYS MINI」のレビューということで、フリーランスの物書き目線で良い点、悪い点などを挙げてみたが、ボクと同じようにフリーランスの物書きで興味のある人は買ってみて損はなし!
一方でそうでない人はあえて「MX KEYS MINI」を選ぶ決め手があまりないかもしれない。複数PCを使ってて、iPadも使っているなんて人にはBluetooth接続切り替えが簡単だとかおすすめポイントはあるが、そうでない人はしっかり店頭などで打鍵感や打ち心地をチェックしてから購入してもらいたい。
ボク的にはとにかくデスクにすぐにスペースが作れることが最大のメリットだと思うので、同じようにデスクで複数作業や食事などをする人には文句なしにおすすめできる!だが、当たり前だが最終的には皆さんの仕事や使い方によるところが大きいので各自の判断にお任せする。
デジコアラは壊れたらまた買うと思う!それくらい気に入ってます。